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キャリア

キャリア共律 (きゃりあきょうりつ)

「キャリア共律」とは、本人と企業がともに、個人のキャリア自律にコミットすること。リクルートが2024年12月の調査発表で示した言葉で、企業がキャリアに無関心な「キャリア孤立」と、関与しすぎて本人の自律性を奪う「キャリア強制律」の両方から抜け出す考え方。キャリア自律との違い、背景の調査結果、5つの支援、日常での進め方を解説します。

キャリア共律とは

キャリア共律とは、本人と企業がともに、個人のキャリア自律にコミットすることを指す。株式会社リクルートが2024年12月16日に公表した「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査2024」の第四弾(総集編)で、「『キャリア自律』から『キャリア共律』へ」という見出しとともに示した言葉である。

キャリアの行き先を決めるのが本人であることは変えない。そのうえで、本人が考え、選び、動けるように、企業と上司も責任を持って関わる。キャリア共律は、その関係を一語で言い表したものである。

キャリア孤立とキャリア強制律

同じ発表は、キャリア共律の反対側にある二つの状態を挙げている。一つは、上司や企業がメンバーのキャリアに無関心な「キャリア孤立」。もう一つは、上司や企業がメンバーのキャリアに過剰に関与し、本人の自律性を奪う「キャリア強制律」である。発表は、個人から見たキャリア自律の実態が、企業主導のキャリア強制律や、企業の責任放棄によるキャリア孤立になっているとも言える、と指摘している。

「キャリアは自分で考えてほしい」と制度だけを渡せば孤立に傾き、会社が描いた道に本人の意思をあてはめれば強制律に傾く。キャリア共律は、その間に立つ関わり方である。

キャリア自律との違い

キャリア自律は、社員が自分のキャリアを主体的に考え、選び、行動していくことを指す。キャリア共律はこれを否定する言葉ではなく、発表もキャリア共律を「真の『キャリア自律』」と位置づけている。

違いは、何を言い表しているかにある。キャリア自律が本人の姿勢を言うのに対し、キャリア共律は本人と企業の関係を言う。社員に自律を求める企業の側が、何を引き受けるのかを問う言葉と言える。

背景にある調査結果

発表が引いている同社の2023年の調査(10,071人)では、「キャリア形成は自分だけの責任である」に「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人は27.0%、「自分のキャリアについて支援してくれる仲間が職場にいると思う」は28.1%だった。働く個人8,459人に尋ねた項目では、「将来キャリアの展望について人事や上司と話す機会がない」が43.9%にのぼる。

2024年の個人調査(有効回答1,033人)のうち働く個人827人の回答では、職場で普段実施しているキャリアを考える機会や場として、「仕事を言語化・客観視する機会や場」を「積極的に実施している」「どちらかというと実施している」と答えた人は21.2%にとどまった。

キャリアを自分だけの責任と考える人は3割に満たない。一方で、支えてくれる仲間が職場にいると感じる人も3割に満たない。本人は一人で背負うつもりはないのに、職場の側に支える手がない。このずれが、キャリア共律という言葉の背景にある。

5つの支援

発表は、キャリア共律のために企業が行う支援を5つにまとめている。職場の安心感である「安全道路」、挑戦と達成を後ろから支える「後手支手」、ストレッチ業務や目標の設定による「前進駆動」、仕事の社会的な意義を実感する「貢献実感」、社内外での将来の可能性を一緒に考える「未来展望」である。

どれも新しい制度を一つ足すことより、上司と本人の日々の対話の中身を問うものになっている。

日常でキャリア共律を回すために

節目の面談で「この先どうしたいか」と尋ねても話が出てこないのは、本人の手元に材料がないことが多い。上の調査で、仕事を言語化し客観視する場を持てている人が約2割だったことは、この点と重なる。

キャリア共律を日常で回すには、本人が日々の仕事の手応えを自分の言葉で残し、面談にそれを持ち寄れるようにする設計が役に立つ。気をつけたいのは、会社が本人の書いたものを読みにいくと、強制律に近づくことである。中身は本人のものとして守り、会社は対話の場と時間を用意する。この線引きがあってはじめて、本人は安心して書ける。面談の前に本人に渡す問いの例は、コラム「キャリア面談の質問集」で扱っている。

ビジネスStockrとキャリア共律

ビジネスStockrは、社員が日々の仕事で試したことや手応えを短く書きとめる記録を、AIの伴走と自動のフォローで支えます。本人は自分の記録をもとに、面談で自分の言葉でキャリアを語れます。書いた中身は本人だけのもので、会社に見えるのは、記録が続いているか、週に何回書いたかといった利用状況だけです。会社は中身に立ち入らずに、続けられる環境を支える側に回れます。

参考文献

(2026年11月確認)

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